today's movie column … 【ジ、エクストリーム、スキヤキ】

【ジ、エクストリーム、スキヤキ】
前田司郎監督
窪塚洋介、井浦新、倉科カナ、市川実日子出演
2013年製作
 監督は前田司郎さん。五反田団という劇団を主宰していて2008年に戯曲「生きてるものはいないのか」で岸田國士戯曲賞を授賞、小説家でもあり、小説やテレビドラマでも三島由紀夫賞や向田邦子賞など、多数の受賞歴があります。本作で映画監督に初挑戦、自身の同名小説を映画化しました。

【あらすじ】
  洞口はある事件のために絶縁状態だった大学時代の友人、大川を15年ぶりに尋ねます。突然現れた洞口に大川は動揺し、最初は拒絶しますがマイペースで天然な洞口を徐々に受け入れます。大川の思いつきで同棲相手の楓と洞口が好きだった大学時代の仲良しグループのひとり、京子を巻き込み4人でドライブ旅に出掛けます。車内で、海岸で、流れで泊まった旅館の一室で、大学卒業後の15年を埋める会話は続きます。それは他愛ない思い出話。すでに終わった過去の、取り返しようもない遠い昔の。洞口たちは今の自分の居場所を確認するかのように、現在のそれぞれと関り合いながら会話を続けます。


【みどころ】
 シュールで淡々とした雰囲気の中で物語は進みます。さすが劇団主宰者と思えるのが、この映画が会話劇であるところ。言葉のチョイスや微妙なすれ違いのある、複数人のやり取りはリアルで、こういうのあるよなって納得してしまいます。四人それぞれのキャラクターが丁寧に交わされる会話の中で十分に伝わってきて共感ができます。
  主役のおふたり、窪塚洋介さんと井浦新さんは映画「ピンポン」から11年ぶりの共演となります。しばらくぶりの再会、というのが本作のストーリーに沿っていてなんだか感慨深く観てしまいます。
 劇中やエンディングに流れるムーン・ライダースの曲もとてもいいです。


【この映画にまつわる個人的コラム】
井浦新さんは俳優の他にモデル、デザイナーでもあり、近年はアートへの造詣も深く、京都国立美術館の文化大使を担ったり、一般社団法人匠文化機構の理事長に就任するなど独自の活動を展開しています。個人的に注目している役者さんです。
 本作でも独特な雰囲気で井浦新ワールド全開で面白いし、前田司郎のシュールなひと癖あるストーリー展開も何度も見たいと思えるぐらい色んな見方ができて楽しめる作品です。

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