【ボーイズ・オン・ザ・ラン】
三浦大輔監督
峯田和伸、松田龍平、黒川芽以、YOU、リリー・フランキー、小林薫出演
2009年製作
監督はポツドールという劇団を主宰している三浦大輔さん。商業映画としての初監督作品です。主役は銀杏BOYZの峯田和伸さん。主演作、第二弾です。花沢健吾さんの同名の漫画を原作にして映画化されました。峯田さんは原作の大ファンで、この映画のために「ボーイズ・オン・ザ・ラン」という曲を書きおろしました。ラストに流れる曲です。
【あらすじ】
田西敏行は玩具メーカーに勤める29歳。同じ会社の後輩、植村ちはるに思いを寄せていますが、不器用な田西は上手くアプローチできません。営業しても作り笑いもできずライバル会社に負けてばかり。同じ営業先を廻るうち、ライバル会社の爽やか営業マンの青山と仲良くなり、恋の手解きを受けるのですが知らぬうちにちはるを横取りされてしまいました。そして程なくちはるは捨てられてしまうのですが、ちはるから聞かされたのは妊娠してしまっていたという事実。人生なんにも上手く行かない田西、これには怒り心頭で打倒・青山を目標に、会社の先輩の指導でボクシングを始めます。血の滲むような特訓の日々を経て決戦を迎えるその日、青山の会社のビル前にはスーツ姿に頭をモヒカンにした田西がいました。
【みどころ】
舞台監督である三浦大輔さんの手によって、原作以上に熱と泥臭さが表現された作品になっています。峯田さんの熱さがここでもスパーク、決戦前のカラオケでの熱唱シーン(曲は岡村孝子の「夢をあきらめないで」)は暑苦しさMAXで必見です。
ライバル、青山演じる松田龍平さんがクールでとても憎たらしく格好良いです。粘っこい田西と正反対の敵役を完璧に演じています。田西の会社社長にリリー・フランキーさん、ボクシングを教える先輩に小林薫さん、田西を労る風俗嬢を気だるく演じたYOUさん、雰囲気ある個性派俳優たちが沢山出てくるのもみどころです。
思い焦がれていた女性は尻軽女だった。それを知っても一度は愛した女性のため、へたれ人生にもがく自分のため、田西は走り、戦うために立ち上がります。女性から見るとひとりよがりにも見える男の美学。なにやらよくわからないところからのパワーをもらえるに違いない映画です。
しかしながら三浦大輔さんの作品は好き嫌いが別れるマニアックさがあります。それも味見してもらいたいところです。
【この映画にまつわる個人的なコラム】
この作品で三浦大輔さんと出会った峯田さんは意気投合、三浦大輔さんの舞台にも出演しています。ここでも峯田さんの熱が違う世界で表現しようとしている同世代の作家さんと繋がります。どこまでいくんだ峯田さん!と思ってたらNHKの朝ドラに出ちゃってました。峯田ファンはあちこちにいるんだと思われます。これからも自由に羽ばたいてもらいたいものです。
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