【サイドウェイ】
アレクサンダー・ペイン監督
ポール・ジアマッティ主演
2004年製作
アメリカの監督、アレクサンダー・ペインという人の作品です。前作「アバウト・シュミット」ではジャック・ニコルソン主演で妻に先立たれた初老の男を、本作はポール・ジアマッティを主演にバツイチ中年男の悲哀をコミカルに描きます。
小説家志望の国語教師マイルスは、悪友ジャックとカリフォルニアへワイナリーを巡る旅に出ます。ジャックは一週間後に結婚式を控えて独身最後の旅。ワイン通のマイルスが意気揚々と旅の行程を考える横で、プレイボーイのジャックは実は結婚前の自由を謳歌すべく、行く先々で女性をナンパしようと目を光らせていました。
そんなジャックに呆れ返るマイルスは離婚した元妻のヴィクトリアが忘れられず、旅先でせっかくの出逢いに恵まれても酔っ払った勢いでヴィクトリアに電話してしまう始末。ヴィクトリアの再婚を知り、荒れ狂ってしまいます。一方、婚約中なのを隠してナンパ成功した女性とジャックは束の間の楽しいひとときを過ごしますが失意のマイルスも巻き込んでトラブルに発展していきます。
踏んだり蹴ったりな中年男マイルスのドタバタロードムービーです。悲しいことも辛いことも人生にはありますが、全くなにもなく平坦な人生よりも良いのかもなあと破天荒で自由なジャックを見ながら思いました。。
マヤという女性がマイルスの前に現れます。以前からの知り合いではあるようですが、そのタイミングはまさに「現れた」という感じです。どんなに辛い別れを経験したとしてもきっと誰かに巡り合います。苦しさの渦中はそれには気付かない。人を癒すのは時間。時を経て、熟成し、さらに味わい深く良いものになるワインに重ねて展開する物語に、呑んでなくても酔ってしまうような素敵な大人の作品です。
【この映画にまつわる個人的なコラム】※読まなくても可。笑
ワイナリーを巡って飲むワインはとても美味しそうで、いつかこんなふうに産地を巡ったワインの旅をしてみたいなあと思います。
昔よく家でひとりでフルボトルを一本、映画を観ながら空けたりしてました。そんなときは泣き上戸でハタからみたらとても面白い光景だろうなと思います。今は肝臓が心配だしそんなことしませんが、いつまでも元気にお酒は美味しく呑みたいなぁ。呑むために生きる。生きるために呑む。笑
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