【レスラー】
ダーレン・アロノフスキー監督
ミッキー・ローク主演
2008年製作
「π」や「レクイエム・フォー・ドリーム」などカルト的な作品を生み出すアメリカの監督、ダーレン・アロノフスキー。
アカデミー賞で数多くの受賞やノミネートされた作品、「ブラック・スワン」も記憶に新しいです。
ミッキー・ロークが主人公である落ち目の元・人気レスラー、ランディを演じます。ランディはこれまでのステロイド剤の使用が祟り、心臓発作を起こして選手生命が絶たれる危機を迎えます。中年になった彼は、今やスーパーでアルバイトをしながら細々とした生活を送る日々。疎遠の一人娘ともすれ違いばかりで、片想いする女性への思いも上手く届きません。そんな折、往年のライバルとの20周年記念試合イベントの話が彼に寄せられます。体はボロボロ、しかし彼は再起と、残りの人生を掛けてリングに上がることを決意します。
現役から外れた中年レスラーの悲哀と根性をミッキー・ロークが渋く演じています。スーパーで白いスモックと紙帽子を着けて働く姿はなかなかコミカルで可愛らしくも見え、客とのやり取りも面白いのですがなんともやり切れないランディの思いが読み取れるシーンでもあります。
「君たちはどう生きるか」じゃないですが、人は何として人生を遂げるか、いつかきっと直面して考えるのではないでしょうか。若かりし時にやってきたこと、自負を持って取り組んだこと、その思いに生きて死ぬこと。死を迎えるその時まで、できることをやりきって自分の死に場で死ぬんだよ、ってランディの姿が教えてくれた気がします。
【この映画にまつわる個人的なコラム】※読まなくても可。笑
ダーレン・アロノフスキー監督の作品では「ブラック・スワン」がとても好きな感じでもう一度観たいなぁと書きながら思ってました。プレッシャーの中で追い詰められる極限を演じるナタリー・ポートマンの姿が焼き付いています。
「マザー!」という映画が日本では年明けの公開予定だったのが中止になったそうです。かなり不快に挑戦的な作品らしいです。ぜひとも観てみたいものです。
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