【ファニーゲーム】
ミヒャエル・ハネケ監督
スザンヌ・ロタール、ウルリッヒ・ミューエ出演 1997年製作
オーストリアの巨匠、ミヒャエル・ハネケ監督の超問題作です。トラウマ映画を挙げろと言われたらひとつはこの映画を挙げます。ちなみにもう一作は小学生の頃に観た金田一シリーズの「病院坂の首縊りの家」です。
最近ではこの監督さん、「愛、アムール」でカンヌ映画祭のパルムドールを獲ってましたが、トラウマ映画を撮るのもパルムドール級です。「怖いもの見たさ」という言葉は自分にはない。という人には全くもってお薦めできません。
あらすじはこんな感じです。
美しい湖のほとりの別荘にバカンスを過ごすためにやって来た一家がありました。夫と妻、一人息子と愛犬。妻が夕食の支度を始める頃、二人の青年がやってくる。「卵を貸してください」と言いながらも借りた卵を二度も妻の目の前で落として割ってしまう。さらに妻の携帯電話を水の中に落としたり挑発を続けていたが、夫がその態度に我慢できず帰ってくれとビンタを喰らわしてしまう。ふたりは途端に豹変し、ゴルフクラブで夫の足をメッタ打ちにして一家全員をソファーに縛り付けてしまう。そして言った。「明日の朝まで君たちが生きていられるか賭けをしないか?」
暴力シーンは意識的に排除しているので、音はすれど、直接痛め付けられる場面を私たちは観ることはありません。ですが逆に想像力を高められるので悲惨な状況のイメージは私たちの中に植え付けられます。それがとても怖いのです。
この作品は2004年にハネケ監督自身でハリウッドでセルフリメイクされています。犯人役のひとりをマイケル・ピットという美しい顔立ちの俳優さんが演じています。が、得体の知れない恐ろしさやむかつかせ度はたぶんオリジナルの作品の方が上だと思います。非常に賛否両論ある作品ですが、映画としていろんな面で非常にすごい作品だと思います。そこには勧善懲悪というものもなく、暴力は圧倒的で徹底的に理不尽なものだということを描きたかったそう。
怖いもの見たさのある人は、ぜひ。
【この映画にまつわる個人的なコラム】※読まなくても可。笑
怖いもの見たさと言えば怖いのにジェットコースターとか乗る心理も同じなのかもしれません。私は高所な閉所の恐怖症なので観覧車とかもだめです。
アトラクションでの怖いもの見たさなんて皆無ですが、映画では比較的果敢にチャレンジします。チャレンジしたトラウマ映画は多数あります。私は怖い映画は出来る限りテレビから離れてみるようにします。部屋の隅から小さくなったテレビ画面を、顔を覆った指の隙間から観て怖さを和らげます。ほんとそこまでして観る必要があるのかと思いますが、映画は網羅したい私については、あるんです。笑。
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