【嫌われ松子の一生】
中島哲也監督
中谷美紀、瑛太、柴崎コウ、伊勢谷友介、黒沢あすか、香川照之、柄本明出演
2006年製作
監督は中島哲也さん。「下妻物語」「告白」などの映画を製作しています。CMディレクターでもあり、CMデビュー作はフジッコのしば漬けのCM。山口美江さんの「あーしば漬け食べたい」というセリフで話題になりました。おお、あの時代の!と昭和生まれは思うのですが、本作はポップでリズム感のある展開が何ともナウでヤングな映画に仕上がっているのです。(昭和の死語だらけ)
【あらすじ】
大学生の川尻笙の元に父親の紀夫が訪ねてきます。手には白木の骨箱。笙は今まで知らされていなかった笙の伯母・松子の存在を聞き、笙に松子の部屋の片付けを頼まれます。
気が進まないながらも松子の住んでいたアパートに赴いた笙は、松子の隣人の妙なロッカーの大倉や松子の昔の知り合いらしき男に出会い松子の数奇な人生を辿ることになります。不幸な最期を遂げた松子の、全身を捧げて懸命に生きた日々。笙は気付けば松子に興味を持ち、その死因の謎に迫っていくのでした。
【みどころ】
さらっとあらすじを書きましたが、原作は山田宗樹さんの同名小説で、上下巻にもなる長編です。映画版と同様に、現在を生きる笙の時間、過去を生きた松子の人生が平行して描かれており非常に読みごたえがあります。映画も最初から最後までぎっしり身が詰まっていて観ごたえあるのですが、有名な歌謡曲がふんだんに使われていたり、劇団ひとりさんや宮藤官九郎さん、武田真治さん、土屋アンナさん、BONNIE PINKやAIなどの個性派の役者さんやミュージシャンもたくさん出てきてところどころコミカルでミュージカル仕立てにもなっているので二時間超ですが、あっという間に感じます。
笙が会いもしない伯母の松子に思いを馳せるのが冒頭ですが、その後は松子の人生がイキイキと展開し始めます。イキイキというか一言で言って不遇で見ていられないぐらい哀れな女性なのですが、逆境と受け止め負けじと強度を増していく松子の生き方に引き込まれてしまい、なんだか良い話?と思ってしまいます。乗せられる感が楽しめる作品です。
【この映画にまつわる個人的コラム】
中谷美紀さんがとても魅力的で、いろんな衣装にいろんなキャラクターが見れるのも楽しいです。園子温監督作常連の黒沢あすかさんの魅力も全開でとても格好良いです。これも何度も観たくなる作品。大好きです。
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