today's movie column … 【パラサイト 半地下の家族】

【パラサイト】
ポン・ジュノ監督
ソン・ガンホ主演
2019年製作
 「殺人の追憶」「母なる証明」韓国でヒット作を産み出すポン・ジュノ監督の作品。
主演のソン・ガンホは「シュリ」「JSA」などから近年の韓国映画を支え続ける実力派俳優。

カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作としては、2018年度の「万引き家族」に続いて家族モノになりますがポン・ジュノ監督の「パラサイト」は疑似でなく本物家族。家族一丸となって裕福なご家族にパラサイトします。そのパラサイト具合いがすごくて侵食していくその課程が面白いです。

副題にあるとおり、主人公一家は“半地下”に暮らしています。
裕福なご家族にはきっと縁の無い、身体に染み付く半地下の匂い。交わっていくかのように見えてけして交わらないふたつの世界。

抑圧的な「万引き家族」よりも弾けたポン・ジュノ監督ならではのユーモアが爽快なのですが、抗わず寄り添おうなんならパラサイトしちゃおうってお茶目さの中にもやっぱり抑圧的な歪みが描かれているような気がします。

【個人的こうさつ】
ワタクシ事ですが大好きな映画「男はつらいよ」の寅さんはしばしばお金持ちな人や社会的に成功しているような人と対等に交流します。人とヒトいう意味ではお金持ちも貧乏も関係ないというのが持論なのでしょうけれども互いに敬意を持てる間柄だから保てる関係もそこに優劣をどちらか一方でも持ち込めば成り立ちません。たぶん、寅さんはその相手に敬意を持ちつつもどこか自分には関係がないことだと思っています。寅さんには寅さんの環境があり、自分が背負うべき自分の問題を把握しているんだと思います。
この「パラサイト」の父も終始パラサイト先の人々を理解しリスペクトしています。ガッタガタな展開の中、保っていた最後のバランスは、それぞれの環境を背負う中でやっぱり崩れていくのです。

あるシーンで主人公一家の父は言います、計画が失望を生む。だから無計画なのがいいんだ。
てんやわんやに進む結末。それでも息子は計画を練ります。計画はそれでも希望も生み出すのでしょう。

ニュービーズなのかアタックなのかはたまたアリエールなのか、、暮らしに染み付くそれぞれの家庭の匂い。どうぞ嗅いでみてください。

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